グリュイエールチーズを代用するならどれ?料理に合うおすすめチーズと選び方のコツ

グリュイエールチーズは、スイスを代表する「チーズの女王」とも呼ばれる逸品です。ナッツのような芳醇な香りと、加熱した際のとろけるような質感、そして深いコクが特徴で、グラタンやフォンデュには欠かせません。しかし、一般的なスーパーでは手に入りにくいこともありますよね。この記事では、グリュイエールチーズの代わりとして活躍するチーズの選び方や、料理ごとの使い分けを分かりやすくお伝えします。

目次

グリュイエールチーズの代用は「コク・香り・とろけ方」で選ぶとうまくいく

グリュイエールの代用を成功させる秘訣は、その特徴である「濃厚な旨味」「独特のナッツ臭」「滑らかな溶け具合」の3要素をバランスよく補うことです。料理の仕上がりを左右するポイントを整理しましょう。

代用に向くチーズの共通点

グリュイエールチーズの代わりとして優秀なチーズには、いくつかの共通した特徴があります。まず第一に、分類として「ハードタイプ」または「セミハードタイプ」であることが挙げられます。これらのチーズは熟成が進んでいるため、加熱しても分離しにくく、料理に深いコクを与えてくれます。また、グリュイエールの大きな魅力である「加熱すると糸を引くように伸びる」という性質を持っていることも重要です。

次に、風味の面では「ナッツのような香ばしさ」や「ミルクの甘み」を感じるものが適しています。グリュイエールは塩気がしっかりしており、加熱することでその旨味が凝縮されるため、代用品も同様に少し塩味を感じるタイプを選ぶと味がボヤけません。水分量が少なめで、油分が料理に溶け出しすぎない安定感のあるチーズを選ぶことで、グリュイエールを使ったときに近い本格的な仕上がりを目指すことができます。

味が近い定番チーズの候補

グリュイエールに最も味が近いと言われているのは、フランス産の「コンテ」です。コンテはグリュイエールと同じ製法で作られることも多く、熟成されたナッツのような風味と深いコクが非常に似ています。代用した際にも違和感がほとんどなく、どのような料理にも対応できる万能な選択肢です。

また、同じスイス産の「エメンタール」も定番の候補です。エメンタールはアニメに出てくるような穴あきの見た目が特徴で、グリュイエールに比べると味わいはマイルドですが、加熱したときのとろけ具合は抜群です。このほか、ノルウェー産の「ヤールスバーグ」も、マイルドな甘みとナッツの風味を兼ね備えており、グリュイエールの代用として世界的に人気があります。これらの定番チーズをベースに選ぶことで、失敗の少ない代用が可能になります。

手に入りやすいチーズで近づける方法

近所のスーパーで本格的なハードチーズが見つからない場合でも、身近なチーズを工夫することでグリュイエールの味わいに近づけることができます。最も簡単な方法は、一般的な「ピザ用のシュレッドチーズ」をベースにすることです。ただし、これだけでは香りとコクが物足りないため、粉チーズ(パルメザンチーズ)をたっぷりと混ぜ合わせるのがコツです。パルメザンの強い旨味が、グリュイエールの持つ濃厚さを補ってくれます。

さらに本格的な香りに近づけたいときは、チェダーチーズを混ぜるのも一つの手です。チェダーの持つシャープな味わいがアクセントになり、料理に奥行きが出ます。また、スーパーで「ゴーダチーズ」のスライスやブロックが売られている場合は、これを細かく刻んで混ぜるのもおすすめです。ゴーダは日本人の口に合いやすいマイルドなコクがあり、加熱時のとろけ方もグリュイエールに近い性質を持っています。身近なものを組み合わせることで、驚くほど本格的な味を再現できます。

迷ったときの組み合わせの考え方

どのチーズを使うか迷ったときは、複数のチーズを「ブレンド」するという考え方が一番の近道です。一つの種類だけでグリュイエールの複雑な味わいを再現するのは難しいため、役割を分けて組み合わせましょう。例えば、「とろけ方担当」としてエメンタールやシュレッドチーズを選び、そこに「コクと香り担当」としてコンテやパルメザンをプラスする構成です。

割合の目安としては、ベースとなる溶けやすいチーズを7割、風味の強いチーズを3割程度にするとバランスが良くなります。このブレンド法は、プロのシェフがチーズフォンデュを作る際にもよく使われる手法です。また、料理のボリューム感を出したいときは、少しクセのあるチーズを少量混ぜるだけで、一気に「レストランの味」に変化します。代用品一つで完璧を目指すのではなく、足りない要素を補い合うことで、自分好みの理想的な「グリュイエール風」を作り出すことができます。

代用品選びが楽しくなるおすすめチーズ

代用品として使えるチーズには、それぞれに個性があります。ここでは、グリュイエールの代わりとして特におすすめしたいチーズを具体的にご紹介します。

スイス産 エメンタール チーズ ブロック

エメンタールは、グリュイエールと共に「チーズフォンデュ」の二大主役として知られるスイスの代表的なチーズです。

項目内容
特徴マイルドな風味と大きな気孔(穴)がある
相性チーズフォンデュ、サンドイッチ、グラタン
公式サイトEmmi (エミ・ジャパン)

エメンタールはグリュイエールに比べてクセが少なく、非常にマイルドな味わいです。加熱すると非常に滑らかに溶けるため、食感の面では最高の代用品となります。単体では少しパンチが足りないと感じることもあるため、塩気の強いチーズと組み合わせて使うのがおすすめです。

フランス産 コンテ 6ヶ月熟成

コンテはフランスを代表する熟成チーズで、グリュイエールに最も近い風味を持っていると言っても過言ではありません。

項目内容
特徴栗やナッツのような芳醇な香りと深い甘み
相性オニオングラタンスープ、キッシュ、そのままおつまみに
公式サイトコンテチーズ生産者協会 (CIGC)

6ヶ月程度の若い熟成のものは、しなやかで溶けやすく、グリュイエールと同じ感覚で料理に使えます。香りが非常に良いため、オーブンで焼き色をつけたときに出てくる香ばしさは、グリュイエールを使ったときと遜色ない満足感が得られます。

ラクレット チーズ スライス

近年日本でも人気の高いラクレットは、加熱して溶かして食べることに特化したチーズです。

項目内容
特徴とろとろに溶ける質感と力強い香り
相性ジャガイモ料理、グラタン、ハンバーグのトッピング
公式サイトLe Rustique (ル・ルスティック)

グリュイエールに比べると香りが少し独特ですが、加熱したときのとろける質感はピカイチです。スライスタイプであれば包丁で刻む手間も省けるため、手軽に濃厚なチーズ料理を楽しみたいときには非常に便利な代用品となります。

ノルウェー産 ヤールスバーグチーズ

ヤールスバーグは、エメンタールの製法をベースにノルウェーで作られている、世界的に有名なチーズです。

項目内容
特徴甘みが強く、ナッツのような風味が豊か
相性キッシュ、ドリア、サンドイッチ
公式サイトJarlsberg (ヤールスバーグ公式サイト)

エメンタールの溶けやすさと、グリュイエールの持つコクを程よくミックスしたような味わいが特徴です。クセが少なく、お子様がいる家庭でも使いやすいのが魅力です。ハードチーズ特有の扱いにくさもなく、料理に自然な旨味を足してくれます。

グリュイエールシュレッド

本物のグリュイエールを使いたいけれど、ブロックで買うのは高いし使い切れない、という方におすすめなのがシュレッドタイプです。

項目内容
特徴本物の味を手軽に使える細切りタイプ
相性どんな料理にも少量から使える
公式サイト東京デーリー

最初から細かくカットされているため、計量もしやすく保存にも便利です。代用品を探す手間を省きつつ、味のクオリティを落としたくない場合には、市販のシュレッドタイプを活用するのが最も確実な方法と言えるでしょう。

ピザ用ミックスチーズ(シュレッド)

最も身近でリーズナブルな選択肢が、スーパーで見かけるピザ用ミックスチーズです。

項目内容
特徴ゴーダやモッツァレラが配合され、入手しやすい
相性普段使いのグラタンやトリア、トースト
公式サイト雪印メグミルク

そのまま使うと少し風味が軽いため、グリュイエールの代用とするなら「追いパルメザン」をするのが成功のコツです。また、チェダー入りのミックスチーズを選ぶと、色味もグリュイエールに近づき、視覚的にも美味しそうな仕上がりになります。

料理別に合うグリュイエール代用チーズの使い分け

グリュイエールチーズは料理によってその役割が微妙に異なります。代用品を選ぶ際も、作るメニューに合わせてチーズの種類を変えることで、完成度が一段とアップします。

グラタンやドリアは焼き色とコク重視

グラタンやドリアにおいて、グリュイエールの役割は「食欲をそそる焼き色」と「ホワイトソースに負けないコク」を出すことです。これらを代用チーズで補うなら、コンテやゴーダが最適です。これらのチーズは加熱すると綺麗なきつね色の焦げ目がつきやすく、香ばしい風味が引き立ちます。また、油分が適度に含まれているため、ソースと一体化してリッチな味わいを作り出してくれます。

さらに本格的な仕上がりを目指すなら、ピザ用チーズに粉チーズをたっぷりと振りかけて焼く方法がおすすめです。粉チーズが表面でカリッと焼き固まることで、グリュイエール独特の表面のクリスピーな食感を再現できます。内側はとろとろ、表面はカリッとしたコントラストを楽しむためにも、焼成温度を高めにして一気に焼き上げるのがポイントです。

キッシュは香りが強すぎないタイプが合う

キッシュを作る際、チーズは卵液(アパレイユ)の旨味を引き立てる名脇役となります。グリュイエールはその点で完璧なバランスを持っていますが、代用品を選ぶ際は「香りが強すぎないこと」を意識しましょう。例えば、熟成が進みすぎたブルーチーズや、独特の酸味が強いチーズは避けたほうが無難です。おすすめはヤールスバーグやエメンタールです。これらは卵や生クリームの優しい風味を邪魔せず、マイルドなコクだけをプラスしてくれます。

具材との相性も考えましょう。ベーコンやほうれん草といった定番具材には、少し甘みを感じるエメンタールがよく合います。もしコンテを使う場合は、熟成期間が短めのタイプ(6ヶ月〜12ヶ月程度)を選ぶと、全体のまとまりが良くなります。キッシュの断面からチーズが溶け出し、卵液と馴染んでいる状態が理想的ですので、シュレッド状にして均一に混ぜ込むのが美味しく作るコツです。

オニオングラタンスープは香ばしさを足す

オニオングラタンスープにおいて、チーズはスープを吸ったバゲットに絡み、食べ応えを与える重要な要素です。グリュイエールはスープに溶け出さず、バゲットの上でしっかり留まってくれる粘り気がありますが、これを代用するならラクレットやコンテが適任です。特にラクレットは溶けた際の粘り強さがあり、スプーンですくい上げた時の「伸び」が素晴らしく、満足度が高まります。

スープ自体の味が濃厚なため、チーズにもある程度の主張が必要です。マイルドすぎるチーズだとスープの塩気に負けてしまうことがあるため、少し多めに使うか、焼き上げる直前にパルメザンチーズを追い掛けして、香ばしさを強調しましょう。オーブントースターでバゲットの端が少し焦げるくらいまで加熱すると、チーズの香りがスープに溶け込み、グリュイエールを使ったときに負けない本格的な一杯になります。

フォンデュはブレンドで滑らかに仕上げる

チーズフォンデュはグリュイエールが主役の料理ですが、代用品だけで作るならブレンドが必須です。グリュイエールの代わりとして最も相性が良いのは「エメンタール」と「コンテ」を1:1で混ぜる組み合わせです。エメンタールがフォンデュ特有の滑らかさと伸びを作り、コンテが深い味わいとコクを補います。もしこれらのチーズが揃わない場合は、ピザ用チーズに辛口の白ワインを少し多めに加え、少量の片栗粉をまぶしてから溶かすと、分離しにくく滑らかな質感になります。

フォンデュを成功させるコツは、チーズが分離しないように低温でじっくり溶かすことです。グリュイエール以外のチーズは、加熱しすぎると油分が浮いてきやすい性質を持つものもあります。代用品を使うときほど、エグみが出ないように注意深く混ぜながら加熱しましょう。最後に少しだけナツメグを振りかけると、グリュイエールを使ったときのようなスパイシーで本格的な香りに近づけることができます。

代用品でも満足できるコツを押さえておいしく作れる

グリュイエールチーズは確かに特別な美味しさがありますが、代わりのチーズを使ってもポイントさえ押さえれば、十分に美味しい料理が作れます。大切なのは、その料理でチーズに何を求めているのかを見極めることです。「とろみ」なのか「焼き色」なのか、あるいは「濃厚な香り」なのか。代用品の個性を理解して使い分けることで、料理の幅はさらに広がります。

もし特定のチーズが見つからないときは、複数のチーズをミックスして自分だけの「黄金比」を見つけてみるのも楽しいものです。今回ご紹介したコンテやエメンタール、そして身近なシュレッドチーズなどを活用して、ぜひ家庭でのイタリアンやスイス料理を楽しんでください。代用品を上手に使いこなす知恵があれば、毎日の食卓がより豊かで美味しいものになるはずです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

イタリアの食卓のような、ゆったりした時間が好きです。このブログではチーズやパスタ、生ハムなどの情報をまとめています。おいしいだけじゃない、保存や選び方のちょっとした知識も生活の楽しさにつながると思っています。

目次